儚い瞳の守り人


「飯月(イイヅキ)…」

「いやぁすみませんって…。だってあまりにも蓬ちゃんが百面相過ぎるから面白かったんですよ」


ひゃ…百面相。なんてしてないし。


「俺たちは不良を更生させてるって言ってんのに、何か危ない組織と勘違いしてるし」

また笑い出した飯月さんという人はどうやら、笑い出したら止まらないタイプのようだ。


小さくクスクスと笑っている飯月さんの笑い方は、豪快に短く笑う長とは正反対で、小さく長時間笑う何ともタチの悪いやつ。


金色に似た茶髪はキラキラと光に反射するように光っていて、容姿はジャニーズにでもいそうなくらい美形。


チャラそうで、不良と言われたら十分納得出来るんだけど。



「あいつらがどんな所でも上手くやってけるように、酒や煙草ならまだしも危ないことに手を出さないように、人様に迷惑をかけない溜まり場を作ってるってところだ」


長はそう言うけど、酒や煙草ならまだしも……って。

十分に犯罪なんじゃ……。

< 83 / 94 >

この作品をシェア

pagetop