儚い瞳の守り人
そんな考えはよそに、飯月さんはにこやかに話している。
「ヤンキーは体力が有り余ってるからね。ジムとかでトレーニングさせたり、遊ばせたり、正々堂々喧嘩させたりして発散させてるわけ」
ヤンキーとトレーニング?
何だかあまり合わない言葉の組み合わせだ。
よく分からない組織すぎて、やっぱりわたしたちが来るべき所ではなかったんじゃないかと思ってしまう。
「ちなみに、俺は元不良側の人間だよ。でも長はボディーガードの仕事やってるから俺もそっち側を目指してまぁ一応辿り着いた」
ボディーガード。
不良がいるのにボディーガードもしちゃうの?
もう頭がぐちゃぐちゃになりそう…。
「まっ初めて聞くと何だここはってなるのも当然だ。後は見て察してくれ」
アバウトだなぁ…。
そう思いながらも長を中心に雰囲気が比較的良いというのは感じていた。
わたしたちを見ていた不良たちもガンつけられていた訳じゃないし、この組織は安全な気がしない訳でもない。
そうやって雰囲気と感覚だけで決めつけちゃうわたしも大概おおざっぱだとは思うけど。