儚い瞳の守り人


少し考えた後口を開く。

「……あの、大丈夫なんですけど、ひとつだけ…いいですか。あの、少しでいいので萊と会うことって出来ますか?」


飯月さんの顔色を窺いながら聞いた。



『余裕余裕』と飯月さんが言っていたのが、飯月さんの優しさが見える度に、わたしたちを安心させるために言った言葉に思えて仕方がない。


飯月さんを信用してない訳じゃない。

ただ、萊の顔を見て、安心したい。


その姿を自分の目で見て、少しでもいいからこの騒ついた心を落ち着かせたかった。


「……分かった。じゃあ暗くなると視界が悪くなるから危ないし、30分後にここのリビングに集合で。鷹さんと亜紀さんはさっき案内した部屋で休んでて。俺は蓬ちゃんを萊の所へ送る」


2人でぺこりと頭を下げると飯月さんはベースの笑顔にまた笑顔を付け加えて、わたしにおいでおいでと手振りをしながら萊の所に連れて行ってくれた。



「もしかしたら寝てるかもしれない」

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