儚い瞳の守り人


ドアの前でそう小声で言った飯月さんは、静かにその場を離れて、わたしは音をさせないようにドアノブを回してからそっと開け、そのまま閉めた。



学校の保健室のように薄緑のカーテンがあり、躊躇しながらも覗いてみると白いベッドの上に険しい顔をしながら目を閉じている萊がいる。


腕には綺麗に包帯が巻かれ、両足の太ももには湿布が貼ってあった。


これをやったのは……奏愛さんと呼ばれるあの女の人だろうか。


わたしには到底無理な手当てのその丁寧さからも、多分男の人がやった訳ではないのだろうということを感じる。


何故か過ぎったモヤっとしたものを心から追い出すように、萊の顔をまじまじと見た。

するとその感情は一瞬にして消え去る。



そして眉間のシワを伸ばすように萊に、指先で触れた。


ごめん…萊。こんなわたしで、ごめんね。

頼ってばかりで、守ってもらってばかりで、萊はこうやって寝てる間も何かを考えて、苦しい思いをしているのに。わたしは……。

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