儚い瞳の守り人
急いで部屋を出たものの、わたしが準備するものなんてはっきり言ってなかったから、すぐ鷹姉と奏愛さんのところに直行する。
「女の買い物は女同士で行った方がいいだろって長がおっしゃったから、わたしがお金を預かって付き添わせてもらうことになったの」
奏愛さんのキリッとした容貌からはあまり想像出来ないような、ほんわりとした笑顔でわたしたちを見る。
「実は初めて1人で任せてもらった仕事」
「そうなんですか?」
「本当はこことは別のところで仕事するつもりだったんだけど面接で落ちたのは分かってたから、切り替えてここを受けたら受かってね。研修を受けながら実践も積んでる」
落ちたと自分で分かったってことは余程何か失敗でもしたのかな?
完璧に何もかもこなせそうな奏愛さんからはあまり想像できない。
「でも女性ボディーガードを募集してると思って面接受けたんだけど、事務の仕事とか受け付けとか、本当はそういう女性が欲しかったみたい。
でも長はそんなわたしの要望を受け入れてくれた」