あの夏の…
追憶

今年も夏バテ気味で、会社へ向かうのが嫌になる。
いつからか夏は嫌いだ──いや嫌いになったのか?
あの日、僕は君を──────

会社についてしばらくすると、朝礼が始まった。最もここはラフな企業でいつもの
「おはよう」
「おはようございます」
「今日もよろしく」

以上だ。
なんなんだ、この緩さは……
いや、オレにはちょうどいいのかもな。

そんなこんなで今日も仕事が始まった。8月19日。新しいオレの6回目の誕生日。。。

小坂敬太23歳。オレは、沖縄にいる。………嘘である。ここは岩手だ。正真正銘生粋の岩手県民のオレだ。
冗談はさておき、6年前のあの日。オレは、オレの命の欠片を落としてきてしまった。
時は止まったまま。何も変わっちゃいない。あいつはまだ、見えている。オレには、あいつが────

小坂と呼ばれる声にハッとした。あぁ、部長か。
「小坂、これ頼むぞ」
「はい。」(自分でやれよ、なに一人でギャルゲーしてんだよ)

うんざりといった表情が顔に出ていたのか、さらに量が増えた。

さぁ、やるか……ん?これは───!?
『新人女優 高橋玲奈 連ドラ初主演』

どこかで見た顔だ。思い出せない。でも
懐かしくて、反面苦しくて。

      『高橋玲奈』
この名前だけでなにか浮かぶっていうことは、親しかったのか?─いや、友はいなかった。じゃあ、彼女?─いや、彼女いない歴=年齢。じゃあ、もしかしてあの夏の?───────

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