わたしの意地悪な弟
「起きたし、着替えるから出ていってよ」
「分かった。寝癖も直さないとね」
樹はわたしの乱暴ないいようにものともせずに、笑顔でそう言うと、わたしの前髪に触れる。
わたしは布団にうつった影を見て、寝癖ができているのに気付いた。
心臓が嫌な意味でドキドキし、体が余計に熱くなってきた。
「寝起きの千波をからかうのも楽しいね」
樹の手がわたしの頬に触れ、強制的に樹を見るはめになった。
彼はわたしを魅了する瞳にわたしの体をすっぽりと収める。
「遅刻するから、離して」
「少しだけ」
樹の指先がわたしの頬をゆっくりとなぞり、その反動でただでさえ寝起きで乾いていた喉が干上がってしまった。
口の中がざらざらし、わたしの心臓が寝癖を見られたショックと、樹の手によってその鼓動の回数を終えなくなるほど、何度も鳴り響いた。
すっと樹の手が頬から離れ、彼が立ち上がる。
わたしは物足りない気持ちで樹の姿を目で追っていた。
だが、再び彼の顔を視界に収める前に、わたしの部屋のドアが開く。そして、既に制服姿の日和が顔を覗かせていた。
「分かった。寝癖も直さないとね」
樹はわたしの乱暴ないいようにものともせずに、笑顔でそう言うと、わたしの前髪に触れる。
わたしは布団にうつった影を見て、寝癖ができているのに気付いた。
心臓が嫌な意味でドキドキし、体が余計に熱くなってきた。
「寝起きの千波をからかうのも楽しいね」
樹の手がわたしの頬に触れ、強制的に樹を見るはめになった。
彼はわたしを魅了する瞳にわたしの体をすっぽりと収める。
「遅刻するから、離して」
「少しだけ」
樹の指先がわたしの頬をゆっくりとなぞり、その反動でただでさえ寝起きで乾いていた喉が干上がってしまった。
口の中がざらざらし、わたしの心臓が寝癖を見られたショックと、樹の手によってその鼓動の回数を終えなくなるほど、何度も鳴り響いた。
すっと樹の手が頬から離れ、彼が立ち上がる。
わたしは物足りない気持ちで樹の姿を目で追っていた。
だが、再び彼の顔を視界に収める前に、わたしの部屋のドアが開く。そして、既に制服姿の日和が顔を覗かせていた。