わたしの意地悪な弟
「樹君って本当にかっこいいよね。今日、話しかけたら笑顔で返してくれたんだ」
「いいな。わたしも話をしたいけど、なかなか難しい」
まるでアイドル扱いだと失笑する。
見た目はともかく、中身はかなり変わっているのに。
難しいといった少女が言葉を続ける。
「樹君っていつもお姉さんと登下校しているけど、シスコンなのかな」
わたしは思わず足を止め、そんな二人の会話に耳を傾ける。
樹の教室は一階なので、たまにこうした会話を耳にすることもある。
見た目麗しく、運動も勉強もでき、温厚で通っている彼は、一年にもかかわらず学校でも有名で、それに付属するように、血のつながらない姉がいるということも広まっていた。
「あれってお姉さんのほうがブラコンで仕方なく構っているだけに見えない?」
「そう見えるかも。香菜って鋭いね」
「いつも樹君を見ているから分かるんだよ。お姉さんが邪魔で近づけないよ。本当、樹君は優しいよね」
「いいな。わたしも話をしたいけど、なかなか難しい」
まるでアイドル扱いだと失笑する。
見た目はともかく、中身はかなり変わっているのに。
難しいといった少女が言葉を続ける。
「樹君っていつもお姉さんと登下校しているけど、シスコンなのかな」
わたしは思わず足を止め、そんな二人の会話に耳を傾ける。
樹の教室は一階なので、たまにこうした会話を耳にすることもある。
見た目麗しく、運動も勉強もでき、温厚で通っている彼は、一年にもかかわらず学校でも有名で、それに付属するように、血のつながらない姉がいるということも広まっていた。
「あれってお姉さんのほうがブラコンで仕方なく構っているだけに見えない?」
「そう見えるかも。香菜って鋭いね」
「いつも樹君を見ているから分かるんだよ。お姉さんが邪魔で近づけないよ。本当、樹君は優しいよね」