わたしの意地悪な弟
わたしに抱きしめられた弟
 わたしは重たい頭を抱え、階段を下りていく。ちょうど、ロングスカートに白いニット姿の日和と顔を合わせた。

 眠っていると、扉が開き、日和が入ってきたのだ。彼女は小梅ちゃんと約束をしたたため今日は家をあけると伝えにきたのだ。

 まだ、利香たちとの約束には時間があったが、折角起きたのと、わたしも数時間以内には家を出ないといけないため、起きることにしたのだ。

 両親は昨日から旅行に行って家をあけている。

「一応、声をかけたほうがいいと思って起こしたんだけど、ごめんね」

「わたしも起きるところだったし、構わないよ。いってらっしゃい」

 わたしはあくびをかみ殺す。

 彼女を送りだし、リビングに戻り、時刻を確認する。

まだ八時を回ったばかりだ。彼女から早い段階で家を出ることは聞かされてはいたが、ここまで早く出ていくとは思わなかった。

今日は小梅ちゃんの家で一緒に試験勉強をするらしい。

 わたしも焦らないように準備をしよう。

 そう思うと洗面所に向かうことにした。

 わたしは樹の部屋の前で深呼吸した。
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