わたしの意地悪な弟
信号が変わり、わたしと樹は足を止めた。
その時、樹が少し照れながら話しかけてきた。
「今週末、一緒にどこかに遊びに行こうか」
「いいけど、どこに行くの?」
「千波と一緒ならどこでもいいよ」
一見なんてことはない台詞だが、両親に聞かれると危険な台詞だ。
わたしが樹をいさめると、彼はごめんと口にした。
付き合う前より神経質になっている気はするが、注意をするに越したことはない。
彼をいさめながらも、今のこの時間が暖かくてくすぐったかったのだ。いつかどこででも手をつなげる日が来てほしいと願いながら目を細めた。
その時、樹が少し照れながら話しかけてきた。
「今週末、一緒にどこかに遊びに行こうか」
「いいけど、どこに行くの?」
「千波と一緒ならどこでもいいよ」
一見なんてことはない台詞だが、両親に聞かれると危険な台詞だ。
わたしが樹をいさめると、彼はごめんと口にした。
付き合う前より神経質になっている気はするが、注意をするに越したことはない。
彼をいさめながらも、今のこの時間が暖かくてくすぐったかったのだ。いつかどこででも手をつなげる日が来てほしいと願いながら目を細めた。