わたしの意地悪な弟
「寝過ごしてもこれから毎朝起こしてやるよ」

 そう彼は悪戯っぽく笑う。

「明日からは自分で起きるから」

 彼はわたしの言葉に笑い、下で待つと言い残し、部屋を出て行く。

 今日からまた学校に行く日々が始まる。

 明日からは樹に起こされないように起きよう。

 これは心臓に悪すぎた。

 わたしはベッドから体を起こすと、深呼吸をして制服に手を伸ばした。

 高校一年のときは普通に過ごして、樹が同じ学校に入ってきて、彼と仲良くなって、ずっと彼のいい姉になりたかった。

 だが、その願いはもう半分は叶わないものになった。わたしと樹は恋人同士になったのだから。

 それには、これから先もずっと恋人でいたいというわたしの願望も入っているだろう。
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