わたしの意地悪な弟
昨日の樹の様子から半田君にあまり良くない感情を持っているのは感じ取った。
だが、今半田君と話をしている樹が険しい表情をしていなかったこともあり、あえて彼らのことを気にしないようにはした。
教室に入ると、机の上にテキストを広げる。二人は何の話をしていたのだろうと考えをめぐらせようとしたとき、半田君が教室に入ってきた。
彼は廊下側にある自分の席ではなく、わたしの席に直行してきたのだ。
彼は大げさに肩をすくめる。
「昨日、弟さんと部活の話をした?」
「した」
「そっか。今日、学校に行く時に君の弟に偶然会ったんだ。その時に、高校で陸上をする気はないと断言されたよ」
「そんなことを言ったの? ごめんね。昨日、たまたまそういう話になったからだと思う」
「気にしないで。本人からはっきり言われて、俺も諦めがついた。今でも未練はあったからね。さっき、俺たちを見ていたみたいだから、一応伝えておこうと思った」
「わざわざごめんね」
だが、今半田君と話をしている樹が険しい表情をしていなかったこともあり、あえて彼らのことを気にしないようにはした。
教室に入ると、机の上にテキストを広げる。二人は何の話をしていたのだろうと考えをめぐらせようとしたとき、半田君が教室に入ってきた。
彼は廊下側にある自分の席ではなく、わたしの席に直行してきたのだ。
彼は大げさに肩をすくめる。
「昨日、弟さんと部活の話をした?」
「した」
「そっか。今日、学校に行く時に君の弟に偶然会ったんだ。その時に、高校で陸上をする気はないと断言されたよ」
「そんなことを言ったの? ごめんね。昨日、たまたまそういう話になったからだと思う」
「気にしないで。本人からはっきり言われて、俺も諦めがついた。今でも未練はあったからね。さっき、俺たちを見ていたみたいだから、一応伝えておこうと思った」
「わざわざごめんね」