わたしの意地悪な弟
「やっぱり樹を連れてきたほうが良かったのかな」
わたしを見て利香は肩をすくめる。
「樹君も千波と映画を見たかったんだよ」
「そうなの? あれだけ行きたくないと言っていたのに」
「千波とね。いつも家で会えるだろうけど、たまには一緒に出掛けてみるのもいいかもよ。親睦を図るためにね」
「樹は素直じゃないもんね」
利香はわたしの言葉に目を見張る。だが、すぐに「そうだね」と返事を返していた。
わたしは樹の好きそうないちごショートを買うと、家に帰ることにした。
リビングにも人気がなかったため、わたしは樹の部屋に直行して、ノックする。
「なんだよ」
樹は壁に肘を当てると、不機嫌そうな表情で顔を出す。
彼の表情に臆しそうにはなるが、わたしはケーキを差し出した。
「お土産」
樹はあっけにとられたような顔でわたしを見る。
「まだ気にしていたんだ。別によかったのに」
わたしを見て利香は肩をすくめる。
「樹君も千波と映画を見たかったんだよ」
「そうなの? あれだけ行きたくないと言っていたのに」
「千波とね。いつも家で会えるだろうけど、たまには一緒に出掛けてみるのもいいかもよ。親睦を図るためにね」
「樹は素直じゃないもんね」
利香はわたしの言葉に目を見張る。だが、すぐに「そうだね」と返事を返していた。
わたしは樹の好きそうないちごショートを買うと、家に帰ることにした。
リビングにも人気がなかったため、わたしは樹の部屋に直行して、ノックする。
「なんだよ」
樹は壁に肘を当てると、不機嫌そうな表情で顔を出す。
彼の表情に臆しそうにはなるが、わたしはケーキを差し出した。
「お土産」
樹はあっけにとられたような顔でわたしを見る。
「まだ気にしていたんだ。別によかったのに」