キミはまぼろしの婚約者
初恋の王子様と衝撃の再会
私とキョウ、そして律は、保育園の頃からいつも一緒に遊んでいた。
おてんばだった私と、今ほどじゃないけどクールで少し天然の入ったキョウは、昔からコントみたいなことばっかりやっていて。
ケンカした時は、いつも明るくて優しい律が間に入って止めてくれるような、いいバランスが取れた仲だったと思う。
律には5歳年上の兄の越(えつ)くんがいて、彼も一緒に遊んでくれたこともよく覚えている。
えっちゃんも優しいお兄ちゃんという感じで、私達が遊ぶのを微笑ましそうに見守ってくれていた。
小学校に上がって成長するにつれて、どんどんカッコ良くなっていった律。
男女問わず友達はたくさんいたし、爽やかな王子様みたいだって、周りの皆はよく言っていたっけ。
でも、私はそれが嫌だった。他のコが、律と仲良くしているところを見るのが。
あれは嫉妬だったんだなぁと、今ならはっきりわかる。
彼が私に話しかけて、笑ってくれるだけで嬉しくて、彼がいない時はものすごく心細くて寂しかったのも、恋をしてたからなんだって。