キミはまぼろしの婚約者
「そうですか」と返して、どうするか考えていると、おばさんは目線を斜め上にさ迷わせて言う。
「たしか、ありさちゃんの家で誕生日のお祝いしてもらうって言ってたのよね。お昼に出ていったから、たぶんまだいると思うけど」
ありさちゃんの家……
そういえば、彼女の家は小さな喫茶店を経営していると、前遊んだ時に言っていたっけ。
場所がわかれば、すぐに会いに行きたい想いが募る。
焦燥感にかられた俺は、「ありさちゃんの家、どこかわかりますか?」と聞いていた。
おばさんは快く教えてくれて、『またいつでもお茶しに来てね』と言い、笑顔で見送ってくれた。
今度の道のりは少し長い。
歩き出したら、足の強張りをさっきよりも感じた。
でも、小夜への気持ちが俺を動かして、スマホのナビを手に一歩ずつ進んでいく。
おばさんが小夜に一言連絡しておいてくれると言っていたから、待っていてくれることを信じて。
……しかし、徐々に強張りは強くなり、5分くらい歩いたところで足が痛み出した。
歩きすぎたか? それとも、薬の効き目が切れてきた……?
「たしか、ありさちゃんの家で誕生日のお祝いしてもらうって言ってたのよね。お昼に出ていったから、たぶんまだいると思うけど」
ありさちゃんの家……
そういえば、彼女の家は小さな喫茶店を経営していると、前遊んだ時に言っていたっけ。
場所がわかれば、すぐに会いに行きたい想いが募る。
焦燥感にかられた俺は、「ありさちゃんの家、どこかわかりますか?」と聞いていた。
おばさんは快く教えてくれて、『またいつでもお茶しに来てね』と言い、笑顔で見送ってくれた。
今度の道のりは少し長い。
歩き出したら、足の強張りをさっきよりも感じた。
でも、小夜への気持ちが俺を動かして、スマホのナビを手に一歩ずつ進んでいく。
おばさんが小夜に一言連絡しておいてくれると言っていたから、待っていてくれることを信じて。
……しかし、徐々に強張りは強くなり、5分くらい歩いたところで足が痛み出した。
歩きすぎたか? それとも、薬の効き目が切れてきた……?