キミはまぼろしの婚約者
何年、何十年先かわからないけど、
将来、動けなくなることはたしかだ。
少しずつだけど、症状は確実に進行していて、
今はもう、前みたいにサッカーで走り回ったりもできない。
自分の身体のことで、毎日いっぱいいっぱいなんだよ。
こんなんじゃ、小夜を守ることなんてできない。
絶対失望させるし、悲しませる。
俺のせいで、誰かに嫌な思いをさせたくないんだ。
だから俺は、君から離れることを決めました。
勝手に決めて本当にごめん。
でも、どうしても納得できないんだ。
小夜のために何もできないのに、恋人のままでいていいのかって。
恋人の役目を負っていいのは、俺なんかじゃない。
ごめんな、約束守れなくて。
でも、小夜がくれたたくさんの手紙は、全部俺の宝物です。
小夜と出逢えて、幸せでした。
忘れたことなんて、一日もなかったよ。
俺は、いつでもずっと、小夜のことを
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━