キミはまぼろしの婚約者
「でも、逢坂くんが離れようとしてたのも、小夜との将来をちゃんと考えてたからでしょ。それってすごいことだよね」
……そう。私はずっと、当たり前みたいに律だけを想っていたけど、それと同じように彼も想ってくれていた。
それって、奇跡みたいなことなんじゃないかな。
私も感慨深い気持ちで、「そうだね……」と返した。
ありさはなんだか目を輝かせて、うっとりしながらこんなことを言う。
「結婚式楽しみだな~」
「えー、気が早いよ」
「そうでもないんじゃない?」
軽く笑うありさだけど、からかっているような感じではなかった。
律も来年18歳になる。
法律上は結婚できる年になるんだと思うと、プロポーズされたあの頃では夢でしかなかったことが、急に現実味を帯びてくる。
彼との未来が、どんどん確かなものになればいい。
私には、何の迷いもないから。
「これから先も、もし何か悩んだりしたらちゃんと相談してね。あたしも逢坂くんの病気のこと、もっと勉強するからさ」
優しいありさの言葉が、じんわりと胸に染み渡る。
……律、あなたの味方はたくさんいるよ。
少しだけ泣きそうになりながら、私は「ありがとう」と頭を下げた。
……そう。私はずっと、当たり前みたいに律だけを想っていたけど、それと同じように彼も想ってくれていた。
それって、奇跡みたいなことなんじゃないかな。
私も感慨深い気持ちで、「そうだね……」と返した。
ありさはなんだか目を輝かせて、うっとりしながらこんなことを言う。
「結婚式楽しみだな~」
「えー、気が早いよ」
「そうでもないんじゃない?」
軽く笑うありさだけど、からかっているような感じではなかった。
律も来年18歳になる。
法律上は結婚できる年になるんだと思うと、プロポーズされたあの頃では夢でしかなかったことが、急に現実味を帯びてくる。
彼との未来が、どんどん確かなものになればいい。
私には、何の迷いもないから。
「これから先も、もし何か悩んだりしたらちゃんと相談してね。あたしも逢坂くんの病気のこと、もっと勉強するからさ」
優しいありさの言葉が、じんわりと胸に染み渡る。
……律、あなたの味方はたくさんいるよ。
少しだけ泣きそうになりながら、私は「ありがとう」と頭を下げた。