キミはまぼろしの婚約者
「さっき言ったのも、冗談じゃないからな」
さっき言ったことってどれ?
と考えている間に、彼は真剣な眼差しできっぱりと言う。
「俺には、小夜との将来しか考えられない」
それを聞いて、すぐに“婚約者”という嬉しくて恥ずかしい言葉を思い出した。
またひとつ、夢が現実に近付く。
でも私、もうすでに胸がいっぱいで、すごく幸せだよ。
「……私も。誰に何を言われても、絶対律のそばを離れないから」
手を握り返して、力強く言った。
すると、律の空いた方の手が、私の頬にあてがわれる。
ぴくりと跳ねる肩、赤く染まる頬。
私のそれを見て、愛おしそうに細められる彼の瞳。
それが、ゆっくりゆっくり近付いて──
そっと、唇が重なった。
少しだけ唇を離して、見つめ合って照れ笑いを浮かべたら、今度はもっと深く……。
初めてのキスは、ものすごくドキドキして、誓いのキスみたいに神聖だった。
きっと、結婚を現実にするには、まだたくさんの問題があるだろう。
だけど、ふたりなら乗り越えていける。
もう何があっても離れないって、私は信じてる。
さっき言ったことってどれ?
と考えている間に、彼は真剣な眼差しできっぱりと言う。
「俺には、小夜との将来しか考えられない」
それを聞いて、すぐに“婚約者”という嬉しくて恥ずかしい言葉を思い出した。
またひとつ、夢が現実に近付く。
でも私、もうすでに胸がいっぱいで、すごく幸せだよ。
「……私も。誰に何を言われても、絶対律のそばを離れないから」
手を握り返して、力強く言った。
すると、律の空いた方の手が、私の頬にあてがわれる。
ぴくりと跳ねる肩、赤く染まる頬。
私のそれを見て、愛おしそうに細められる彼の瞳。
それが、ゆっくりゆっくり近付いて──
そっと、唇が重なった。
少しだけ唇を離して、見つめ合って照れ笑いを浮かべたら、今度はもっと深く……。
初めてのキスは、ものすごくドキドキして、誓いのキスみたいに神聖だった。
きっと、結婚を現実にするには、まだたくさんの問題があるだろう。
だけど、ふたりなら乗り越えていける。
もう何があっても離れないって、私は信じてる。