キミはまぼろしの婚約者
ちょっと、しかも何このチャラ男みたいな発言。
私が知っている律と、なんかギャップが……。
動揺して固まっていると、登校してきた男子が、私達の横を通り過ぎようとする。
興味深そうに見てくる彼は、律の肩にぽんっと手を乗せて、いたずらっぽく口角を上げた。
「なになに、逢坂もうコクられてんの?」
「違うから! でも逆ナンだったら嬉しいなーなんて」
はははっと軽く笑い合う、すでに馴染んでいる様子の彼らを見ながら、私は唖然とする。
この人、本当に律?
“可愛いコは一度見たら忘れない”とか、“逆ナンだったら嬉しい”とか、律は絶対そんなことを言うタイプじゃなかった。
あの頃の爽やかな王子様はいずこへ?
今起こっていること、全部が信じられない。
嘘だって言ってよー!
憤りを抑えられなくて、私は周りの目も気にせず、律の胸につかみ掛かる。
「私だよ、小夜! 保育園から一緒だった、緒方 小夜だってば!」
必死に訴える私に律は驚きながらも、すぐに困ったような笑みを見せた。
「……人違いじゃない?」
私が知っている律と、なんかギャップが……。
動揺して固まっていると、登校してきた男子が、私達の横を通り過ぎようとする。
興味深そうに見てくる彼は、律の肩にぽんっと手を乗せて、いたずらっぽく口角を上げた。
「なになに、逢坂もうコクられてんの?」
「違うから! でも逆ナンだったら嬉しいなーなんて」
はははっと軽く笑い合う、すでに馴染んでいる様子の彼らを見ながら、私は唖然とする。
この人、本当に律?
“可愛いコは一度見たら忘れない”とか、“逆ナンだったら嬉しい”とか、律は絶対そんなことを言うタイプじゃなかった。
あの頃の爽やかな王子様はいずこへ?
今起こっていること、全部が信じられない。
嘘だって言ってよー!
憤りを抑えられなくて、私は周りの目も気にせず、律の胸につかみ掛かる。
「私だよ、小夜! 保育園から一緒だった、緒方 小夜だってば!」
必死に訴える私に律は驚きながらも、すぐに困ったような笑みを見せた。
「……人違いじゃない?」