キミはまぼろしの婚約者
私が何かしたのかな?
それともやっぱり、律の心が変わってしまった?
どちらにしろ、せめて律本人の口から聞きたかった。
理由もわからないままじゃ、諦めきれるわけないよ……。
どうしても納得できなくて、えっちゃんに電話をしようとしたけど、また同じことを言われて突き放されたらと思うと、怖くてボタンを押すことができなかった。
手紙ならいいかと、途中まで書いてやめたことも何度かある。
もう考えることが苦しくなって、それから逃げるために受験勉強に打ち込むようになった。
なんとか人気の高校に合格し、またありさやキョウと通えることになって、ようやく気分も新たに始めることができた高校生活。
そのうち、律とのことは夢だったんじゃないかと思うくらいになって、次第に胸の痛みは薄れてきていた。
でも、誕生日はやっぱりほんの少し期待してしまう。
もしかしたら、律から何かアクションがあるんじゃないかって。
その日は一日そわそわして落ち着かなかったけれど、去年の高校一年の誕生日はやっぱり何も起こらなかった。
望んでいた再会が訪れても、私を絶望に突き落とすだけ。
えっちゃんは、こうなることを予期してあんなことを言ったのだろうか──。
それともやっぱり、律の心が変わってしまった?
どちらにしろ、せめて律本人の口から聞きたかった。
理由もわからないままじゃ、諦めきれるわけないよ……。
どうしても納得できなくて、えっちゃんに電話をしようとしたけど、また同じことを言われて突き放されたらと思うと、怖くてボタンを押すことができなかった。
手紙ならいいかと、途中まで書いてやめたことも何度かある。
もう考えることが苦しくなって、それから逃げるために受験勉強に打ち込むようになった。
なんとか人気の高校に合格し、またありさやキョウと通えることになって、ようやく気分も新たに始めることができた高校生活。
そのうち、律とのことは夢だったんじゃないかと思うくらいになって、次第に胸の痛みは薄れてきていた。
でも、誕生日はやっぱりほんの少し期待してしまう。
もしかしたら、律から何かアクションがあるんじゃないかって。
その日は一日そわそわして落ち着かなかったけれど、去年の高校一年の誕生日はやっぱり何も起こらなかった。
望んでいた再会が訪れても、私を絶望に突き落とすだけ。
えっちゃんは、こうなることを予期してあんなことを言ったのだろうか──。