キミはまぼろしの婚約者
ソフトボール部に入っているキョウは、昼休みはだいたい部活の友達と過ごしているのだけど、今日は教室で食べるらしい。
あーだこーだ言いながらもそれぞれパンを買うと、私が真ん中に挟まれるいつもの並び順で教室に向かう。
「小夜って昔からカレーパン好きだよな」
カレーパンの他に、もうひとつパンの袋を持つキョウが言った。
これらの他にちゃんとお弁当を持ってきていると言うんだから、これまた腹が立つ。
「知ってるならゆずってよね。イジワル」
「すねるなって」
ぽんっ、と私の頭に無表情の彼の手が乗せられる。
そのままわしゃわしゃと撫でて髪を乱され、私はうがーっとその手をどけた。
そんなことをしながら、私達のクラスがある2階の廊下を歩いていると、ちらちらとこっちを見る女子ふたりの会話が耳に入ってくる。
「……あの子でしょ? さっそく逢坂くんに迫ってたって子」
「でもいっつも古畑くんとくっついてるじゃん。男好きだねー」
私に聞こえることも気にしていない様子の彼女達。
こっちは気まずいんですけど……。
あーだこーだ言いながらもそれぞれパンを買うと、私が真ん中に挟まれるいつもの並び順で教室に向かう。
「小夜って昔からカレーパン好きだよな」
カレーパンの他に、もうひとつパンの袋を持つキョウが言った。
これらの他にちゃんとお弁当を持ってきていると言うんだから、これまた腹が立つ。
「知ってるならゆずってよね。イジワル」
「すねるなって」
ぽんっ、と私の頭に無表情の彼の手が乗せられる。
そのままわしゃわしゃと撫でて髪を乱され、私はうがーっとその手をどけた。
そんなことをしながら、私達のクラスがある2階の廊下を歩いていると、ちらちらとこっちを見る女子ふたりの会話が耳に入ってくる。
「……あの子でしょ? さっそく逢坂くんに迫ってたって子」
「でもいっつも古畑くんとくっついてるじゃん。男好きだねー」
私に聞こえることも気にしていない様子の彼女達。
こっちは気まずいんですけど……。