mermaid princess~人魚姫の恋~

(…私が芸能人だから、海斗くんは優しくしてくれる)

もし私が芸能人じゃなかったら、有り得ない事だったんだ…

頭の中、上原さんの言葉だけが、エンドレスに回っている。

「…嫌!」

ベンチで膝を抱えて、顔を埋める。

(…嫌だ…嫌だよ)

上原さんの言葉を忘れたくて、頭をブンブンと振っていたら、

「気分でも悪いの?」

と頭の上から大好きな声が聞こえて来た。

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