mermaid princess~人魚姫の恋~
「解ったわ。後で連絡する」
「OK」
「あ、もし莉奈を見かけたら、部屋に戻るように言ってくれない?
いつの間にか部屋に居なかったのよ」
「はいよ」
「お願いね」
「おう」
と言って海斗くんが、戻って来た。
「大丈夫?」
「…うん」
「俺のせいで塗れちゃったな」
海斗くんは自分のTシャツを私に被せて、右手を差し出した。
「…あ、ありがとう」
海斗くんの右手を掴んで、立ち上がる。
「撮影、頑張れよ」
「うん」
今できる精一杯の笑顔で私は海斗くんに笑顔を向けた。