mermaid princess~人魚姫の恋~
私を抱きしめたまま、海斗くんがゆっくりと、後ろに倒れた。
海斗くんの温かい胸に、私の頬を押し付ける。
「莉奈、力抜いて」
その一言で全身が軽くなった。
「…大丈夫だから」
大きな手が私の頭を優しく撫でる。
「…うん」
「大丈夫」
そっと眼を閉じて、海斗くんの胸に顔を埋める。
聞こえてくるのは、ドキドキという音と、海斗くんの温もりだけ…
(海斗くんもドキドキしてる)
海斗くんの温もりに包まれながら、ゆっくり眼を閉じた。