金髪碧眼王子様!?
太陽はすぐに曇る
新しい家の新しい部屋で新しい窓を開ける。
そこには新しい景色が広がっている。
今日は快晴。
雲ひとつない澄んだ青い空は、少しだけ私の気持ちを落ち着かせてくれる。
まだ少し冷たさを残した風が頬を包み込み、私は窓に背を向け、ドレッサーへと向かった。
鏡に映る自分はとても疲れていた。
「…今日から私は別人になるんだ。」
それからまだ見慣れない黒髪を素早く、おさげにし、コンタクトを入れていながらも、伊達眼鏡をかけた。
制服のボタンを一番上まで留め、ネクタイを結ぶ。
スカートは織り込むことなく膝丈で履いてみる。
紺色の靴下も規定通りのもので、伸びるところまで伸ばしてはく。
「…ぷっ…だっさい格好…」
1人おかしくて声に出してみるけど、もちろん誰も返事はしてくれない。
私は今日から、地味で平凡で、おそらくとても退屈な生活を送る。
ただひとつ、規則違反なのは、きっちりボタンを留めたシャツの下、手放すことができないまま、ずっと身につけているネックレス。
シルバーのそれに光が当たらないよう、私は念入りに首回りを確認した。