金髪碧眼王子様!?
彼女は糸が切れたように泣き出した。
縋るように身体を寄せる君の身体に、俺は触れても良いのだろうか。
「…嫌なら、やめる。」
俺はそれだけ言って、思った以上に華奢な君の背中に腕を回した。
あの日の温もりと同じ。
瞳の色、髪の色を綺麗だねって言われたあの時と同じ、優しくて、柔らかな温もり。
1つ違つのは彼女が泣いていること。
そして俺は振られた。
「…リド…私、ごめんなさい。リドとは付き合えません。」
ずっと欲しかった人が手の届く距離にいるのに、手にすることができない。
もどかしくて、どうしようもない。
「諦められない。せめて理由を教えてくれないかな。」
そして俺は、酷く重い話を耳にしたのだった。
「蓮さんがまだ好き?」
「…好きだよ。」
「俺のことはもう好きじゃない?」
「……嫌いじゃない。」
彼女がそういうもんだから、俺はやっぱり諦められないと思った。
もしかしたら、振り向いてくれるかもしれない。
もしかしたら、彼女を救えるかもしれない。
君は今も君だけど、蓮さんに縛られてしまってる。
いや、自分で立ち止まってる。
だから何とか俺がそこから進めるように、そばにいるよ。
絶対俺は、君を残してもう、どこにもいかないと誓うから。