金髪碧眼王子様!?
あっという間に時が過ぎ、私は今日も逃げていた。
そう。
この金髪碧眼男のせいで、私の噂は絶えない。
最低女だとか、生意気女だとか。
それから、いわゆるイジメにも遭ってる。
トイレに呼び出されて、水を掛けられたり、人の気も知らないで殴られたり、物を隠されたり。
「1回ちゃんと話してみようよ。」
「それが嫌なんですよ。」
この前はひどかったな。
せっかく頑張ってやったレポート課題…見事に校舎裏で燃やされた。
優等生に成りすましてる私も私だけど、本当に放っておいてほしいのに。
「そんなに俺のこと嫌い?それとも好きな人いるとか?」
私はその言葉に答えることはなく、遅刻する前に教室まで走りきった。
ドアを開けると、それだけで女子の視線が痛い。
まぁそりゃそうだろうね。
こんな地味女があんな王子様みたいなモテ男に追っかけられてたら面白くないだろ、普通。
「はぁ…」
大きなため息をつき、平然と着席する。
チャイムが鳴ると金髪碧眼男は、渋々帰って行った。