ドSな生徒会長に捕まりました






「ふっ……うぅ……っ、うぁぁ……っ」



どんどん頬を伝って流れる涙。

一回流れてしまうと、止めようがないことは、

自分が一番よく知っていて。



「ほんとは……っ、ほんとは……っ、

ダメな子って言われて悔しかっただけ……っ。

いじやけただけ……っ。

私がダメな子なんて分かってた……。

でも……でも……、ほんとはそーじゃないんだって……やれば出来るんだって……

ここで私の可能性を認めて欲しかっただけ……っ。

自分に自分で言い聞かせたかっただけ……っ。

自信過剰になって……、

会長のせいにして……自分を正当化しようとしてただけなの……っ」





誰もいない生徒会室に、私だけの声が響く。



素直になれなかった。




ただそれだけなの。







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