神に禁じられた恋
自分たちの想いは通じ合っていると、レイモンドには確信があった。





王宮で共に少年の時を過ごした、王子や王女、そしてたくさんの貴族の子女たち。




その中で、レイモンドとエレティナは、誰もが認める特別な信頼関係にあった。





王女でありながら活発で気さくな質のエレティナは、よく貴族の子ども達とともに弾ける笑顔を見せていた。



特にレイモンドにはよく懐いており、いつも彼の後をついて回っていた。




レイモンドも、素直で天真爛漫なエレティナが可愛くてしかたなく、ほとんどつきっきりで遊び相手をつとめていたものだ。





そんなエレティナが十の歳になったとき、神殿の巫女として捧げられることが決まった。




多くの王女たちの中で、もっとも見目麗しく、利発で、性質も申し分ない、ということで、栄誉ある役に選ばれたのである。




< 21 / 45 >

この作品をシェア

pagetop