神に禁じられた恋
「姫さま」






控えの間から呼ぶ声に、エレティナは慌てて身を起こし、涙に濡れた頬を拭った。




声の主は、エレティナ付きの女官、セリンだ。






「なあに? セリン」





「晩餐会のお支度に上がりました」






エレティナは夜空に浮かぶ月の位置を確認し、ため息を洩らした。






「あぁ、そうね、もうそんな時間ね……。

入ってちょうだい」





「失礼いたします」






セリンに続いて、数人の女官も入ってくる。



女官たちは、きらびやかな飾り箱に入れられた夜会用のドレスを、うやうやしい手つきで取り出した。




エレティナは両手を広げ、されるがままに服を脱がされ、真珠や夜光貝で飾られた豪奢なドレスを身に纏わされた。




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