神に禁じられた恋
「俺は、君に逢いに来たんだ。


君が俺の手の届かないところへ行ってしまう前に、どうしても逢いたかった。


この命を捨ててでも………」







そう言ってレイモンドは、月明かりの中でひときわ輝く白い相貌を見つめる。





エレティナは小さく頷き、「私も逢いたかった」と答えた。






華奢な身体をぎゅっと抱き寄せ、レイモンドはその耳許に唇を寄せる。







「………俺についてきてくれるか?」







その言葉に、エレティナはふふっと笑う。







「あら。私はいつだって、あなたの後をついて回っていたじゃない?」






「そうか………そうだったな」







レイモンドも笑い、今度はエレティナの唇に口づけを落とした。





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