社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
「でも、今食べすぎちゃうと、メインの料理が食べられませんよ」
「大丈夫、私を誰だと思ってるの?」
大袈裟ないい方に思わず笑ってしまう。そうこうしているとチーズフォンデュが運ばれてきた。
ミニトマトや、フランスパン、カボチャに魚介。それらにたっぷりチーズを付けて口に運ぶ。
想像よりも熱くて、はふはふしながら食べる私を見て汐里さんは声を上げて笑っている。
「朔ちゃんってば、しっかりしてるようで抜けてるよね」
「すみません。でもこれ本当においしい」
とろとろのチーズから漂うワインの香りが、鼻をくすぐる。次はなにを食べようかな……。
「朔ちゃん、好きな人いる?」
——ガチャン
「熱いッ!」
「ちょ、ちょっと。大丈夫?」
いきなりで動揺した私は、金属の串を派手に落としてしまう。音を聞いた店員さんが「大丈夫ですか?」とこちらに声をかけた。
周りの人に大きな音を立てたことを謝り、目の前の汐里さんに向き合う。
どうしてばれちゃったんだろう。私だって昨日気が付いたばかりなのに。もしかして顔がまだにやけてるのかも?
「ど、どうしてですか?」
ここはひとつ冷静に対処するべきだ。もしかしたら全く違う話なのかもしれないし。
「いや、ちょっと気になったから聞いてみたんだけど……」
言いづらそうに言葉を詰まらせた。いつもものをはっきりと言う汐里さんらしくない。
私は、じっと彼女の言葉を待った。
「回りくどい話苦手だから単刀直入に話すけど、私ね成瀬の彼女に会ったんだ」
「な、成瀬さんの彼女!?」
「大丈夫、私を誰だと思ってるの?」
大袈裟ないい方に思わず笑ってしまう。そうこうしているとチーズフォンデュが運ばれてきた。
ミニトマトや、フランスパン、カボチャに魚介。それらにたっぷりチーズを付けて口に運ぶ。
想像よりも熱くて、はふはふしながら食べる私を見て汐里さんは声を上げて笑っている。
「朔ちゃんってば、しっかりしてるようで抜けてるよね」
「すみません。でもこれ本当においしい」
とろとろのチーズから漂うワインの香りが、鼻をくすぐる。次はなにを食べようかな……。
「朔ちゃん、好きな人いる?」
——ガチャン
「熱いッ!」
「ちょ、ちょっと。大丈夫?」
いきなりで動揺した私は、金属の串を派手に落としてしまう。音を聞いた店員さんが「大丈夫ですか?」とこちらに声をかけた。
周りの人に大きな音を立てたことを謝り、目の前の汐里さんに向き合う。
どうしてばれちゃったんだろう。私だって昨日気が付いたばかりなのに。もしかして顔がまだにやけてるのかも?
「ど、どうしてですか?」
ここはひとつ冷静に対処するべきだ。もしかしたら全く違う話なのかもしれないし。
「いや、ちょっと気になったから聞いてみたんだけど……」
言いづらそうに言葉を詰まらせた。いつもものをはっきりと言う汐里さんらしくない。
私は、じっと彼女の言葉を待った。
「回りくどい話苦手だから単刀直入に話すけど、私ね成瀬の彼女に会ったんだ」
「な、成瀬さんの彼女!?」