社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
「エレベーターはあっちですよ」
「いや、ここでいい。外まで待てないから」
焦った様子で扉をあけ、私とともに外に出る。バタンと大きな音を立てて扉が閉じた瞬間——私は衣川課長の胸に包まれていた。
なにが起こっているの? どういうことなの? グルグルと疑問ばかりが頭の中を回る。しかし感じているこの暖かさは本物だ。
「……やっとだ」
背中に回された手にますます力が込められた。切羽詰まったような衣川課長の声が耳に響く。もう一度ギュと抱きしめられた後、腕の力が緩んだ。
わずかだが、タバコの匂いがした。それがふたりの距離の近さを表しているようで、鼓動が速くなる。
「河原……あの日のお前の告白はまだ有効か?」
「え?」
真剣な瞳が私を捉えた。
「俺のこと好きだって言ったことだ」
「それって……」
「いや待て、違う……」
そう言って髪を掻き上げた後、衣川課長がはっきりと言った。
「河原朔乃さん、俺と付き合ってください」
——目の前のこの人はいったい、なにを言っているんだろうか?
「どこに付き合うんですか?」
さんざん考えて思い浮んだ言葉がこれだ。まだ未練のある私にこんなふうに誤解するような言葉を投げるなんてひどい。
「いや、ここでいい。外まで待てないから」
焦った様子で扉をあけ、私とともに外に出る。バタンと大きな音を立てて扉が閉じた瞬間——私は衣川課長の胸に包まれていた。
なにが起こっているの? どういうことなの? グルグルと疑問ばかりが頭の中を回る。しかし感じているこの暖かさは本物だ。
「……やっとだ」
背中に回された手にますます力が込められた。切羽詰まったような衣川課長の声が耳に響く。もう一度ギュと抱きしめられた後、腕の力が緩んだ。
わずかだが、タバコの匂いがした。それがふたりの距離の近さを表しているようで、鼓動が速くなる。
「河原……あの日のお前の告白はまだ有効か?」
「え?」
真剣な瞳が私を捉えた。
「俺のこと好きだって言ったことだ」
「それって……」
「いや待て、違う……」
そう言って髪を掻き上げた後、衣川課長がはっきりと言った。
「河原朔乃さん、俺と付き合ってください」
——目の前のこの人はいったい、なにを言っているんだろうか?
「どこに付き合うんですか?」
さんざん考えて思い浮んだ言葉がこれだ。まだ未練のある私にこんなふうに誤解するような言葉を投げるなんてひどい。