社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
「いつからって……お前たちがイチャつき始めるずっと前からだ」
「なに言ってるんすかっ!」
「別に私たちは」
ふたりして食って掛かる私たちを見て、衣川課長が静かに笑いながら呟く。
「息もぴったりだな」
「ちょっと、やめてください!」
私が叫ぶと「それはこっちのセリフだ!」と成瀬も叫んだ。
「ふたりとも、こんなところで騒いだら他の人に迷惑になるから、いいから仲良く二次会に行け」
「な、仲良くって……あっ、実は私」
「河原だろう?」
「……そうです」
エスパーなの? と一瞬思ったがこの人も超絶仕事ができる男だ。きっと状況から判断したのだろう。
「あの調子なら二次会は無理だ。俺も騒がしいのは苦手だからここで失礼する。だから河原のことは俺に任せてお前たちは楽しんで来い」
朔ちゃんも先に帰ってほしいと言っていたし、主役である成瀬をここに留めておくわけにはいかない。私は衣川課長の申し出を受けることにした。
「じゃあ、お願いします」
「あぁ」
手を上げながら短い返事をすると、私たちふたりを顎で追い払うようにした。
歩き出して振り向くと、衣川課長はさっきの場所でジッと朔ちゃんを待っているようだった。
「なに言ってるんすかっ!」
「別に私たちは」
ふたりして食って掛かる私たちを見て、衣川課長が静かに笑いながら呟く。
「息もぴったりだな」
「ちょっと、やめてください!」
私が叫ぶと「それはこっちのセリフだ!」と成瀬も叫んだ。
「ふたりとも、こんなところで騒いだら他の人に迷惑になるから、いいから仲良く二次会に行け」
「な、仲良くって……あっ、実は私」
「河原だろう?」
「……そうです」
エスパーなの? と一瞬思ったがこの人も超絶仕事ができる男だ。きっと状況から判断したのだろう。
「あの調子なら二次会は無理だ。俺も騒がしいのは苦手だからここで失礼する。だから河原のことは俺に任せてお前たちは楽しんで来い」
朔ちゃんも先に帰ってほしいと言っていたし、主役である成瀬をここに留めておくわけにはいかない。私は衣川課長の申し出を受けることにした。
「じゃあ、お願いします」
「あぁ」
手を上げながら短い返事をすると、私たちふたりを顎で追い払うようにした。
歩き出して振り向くと、衣川課長はさっきの場所でジッと朔ちゃんを待っているようだった。