今夜、君にラブロマンスをささげよう。
おかげでどこまでも実直な志月さんはわたしと付き合うことになった。
そして彼女というわたしの面子を考えたのか、志月さんは一緒に帰宅することを提案した。
「………………」
自己嫌悪。
今のわたしにはそればかり。
脳裏には、悲しい過去の出来事が過ぎる。
親戚中には疫病神だと罵られ、白い目で見られていた頃のことーー。
わたしはどこに行っても問題を引き起こす。
(どうしよう、泣きそう)
ぐにゃりと視界が歪んでしまう。
「行こうか。このままここにいると、俺たちはますます注目されるだけだからね」
志月さんの腕が伸びてきた。