今夜、君にラブロマンスをささげよう。
彼は運動神経はさることながら頭脳明晰容姿端麗。長身でモデル体型の彼は女子たちから王子様ともてはやされ、この学園ではファンクラブまであるほどの人気者でもある。
そしてこれが一番の問題なのだが、彼は何かにつけて俺に喧嘩を売ってくる。
競うのは決まって勉学であったりスポーツであったりするのではあるが、この男のおかげで日々休まることがない。
「よく言う。お前が俺を突き飛ばしたんだろうが」
俺は机の上に広げている資料を片付けながら、振り向きもせずにそう答える。
実際、女子に迫られたのは何も彼女が初めてではない。