今夜、君にラブロマンスをささげよう。
スポーツの中でも武道を得意としている俺はもちろん、そのような失態をおかさなかった。
だが、今回ばかりは勝手が違う。
ーーそう、そもそもの原因はこの男にある。
双葉が俺を突き飛ばしたりしなければ。
体勢を崩した彼女をきちんと支えてあげられていたし、俺もあのように無様な姿で倒れることもなかった。
「なんだつまらない。突き飛ばしたのが僕だって気づいていたんだ?」
悪びれることなく、双葉はそう言った。