今夜、君にラブロマンスをささげよう。
「っふ、わわっ!!」
 案の定、つんのめるわたし。

「いまり!」
「伊万っ!」

 近くにいるはずなのに、わたしを呼ぶ神流ちゃんと聡ちゃんの声がずっと遠くの方に聞こえる。

「わ、わわわわわっ!!」

 崩れた体勢を戻せばいいんだけれど、生憎(あいにく)わたしには運動神経なんていうものはない。
 わたしの右足は左足に絡まり、視界が斜めになる。
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