今夜、君にラブロマンスをささげよう。

(なんでわたしっていつもこうなのっ?)


 神流ちゃんほどじゃなくても、せめて神流ちゃんの4分の1程度でもいいから運動神経が欲しい。

(……自分のドジっぷりが悲しすぎるっ!)



「伊万里!!」

 聡ちゃんが慌てて転ぶわたしの体を支えようと手を伸ばす。

 だけど間に合わない。

「……っつ!」

 わたしは転ぶのを覚悟して、衝撃に備えて目をつむった。


「危ないっ!!」

「…………っ!」

 果たしてわたしは硬い床に倒れ込むのかと思いきや、そうじゃなかった。


「…………あれ?」
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