今夜、君にラブロマンスをささげよう。
「双葉、煩い。彼をからかうのもいい加減にしないか。彼女が困っているだろう」
「僕に向かって煩いとは失礼だな。少なくとも僕は君より女子に人気があるんだよ」
「っつ!!」
『人気』という双葉さんの言葉にわたしの背筋が凍りつく。
おふたりがわたしたちとは立場が違う人だったことに今さら気が付いたんだ。
二人は生徒会会長に風紀委員会長。
1年生の、しかも平凡で何の取り柄もないわたしがここにいるのはすごく場違いだ。
(……居づらい)
自分の立場を思い知らされる。
スカートの裾をギュッと握り締め、俯いてしまう。
聡ちゃんと双葉さんが隣で言い合いをしているけれど、わたしはそれどころじゃない。