今夜、君にラブロマンスをささげよう。

 緊張しすぎてーー。

(息、詰まる)

「ーーーーっ」

「……七瀬さん? ……ちょっと待っていてね」

 志月さんは黙って俯いているわたしの様子を(うかが)うと、注文札を手に取った。

「ーーーー」
 何を思い立ったのかキッチンホールへと歩いて行く。


「お待たせ、スタッフの方におにぎりとお茶を頂いてきた。別の場所で食べよう」

「へっ?」

 戻ってきた志月さんは突然わたしの手を引いて歩き出す。



「あの、どこへ?」

「学校。生徒会室に行こう」

(ええええっ?)


「いっ、伊万里っ?」

「行ってらっしゃ~い」
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