今夜、君にラブロマンスをささげよう。
わたしがおにぎりを受け取ると、彼は大きな口を開けておにぎりを頬張る。
バクバク、バクバク。
わたしの心臓が大きく鼓動している。
正直、王子様を目の前にしている。
しかもふたりきり。
この状況で緊張しないわけがない。
だから当然、ご飯なんて落ち着いて食べられる状況じゃない。
「…………」
(でも、食べなきゃ志月さんに失礼だよね)
「……いただきます」
自分に言い聞かせ、わたしもおにぎりにかぶりつく。
「ーーあ、美味しい」
ひかえ目なお塩と、ほどよく固められたおにぎりは食べやすい。
わたしはひたすらおにぎりにかぶりつく。