今夜、君にラブロマンスをささげよう。
「…………」


 ……志月さんって不思議。

 さっきまで心臓が破裂しちゃうんじゃないかっていうくらい、とても緊張していたのに……。
 それなのに、さっきまでの気持ちが嘘みたいに消えてなくなっている。

 信じられない。
 こんなに静かな気持ちでいられるなんてーー……。

 ひとりきりの時でさえ、こんな気持ちになったことなんて一度もなかった。

 誰かと一緒にいて、こんなに心地いいなんてはじめてで……。


 だからわたしは落ち着いておにぎりを頬張ることができたんだ。


「ごちそうさまでした」

 食べ終え、手を合わせると、ふいに志月さんの手が伸びてくる。
 

「七瀬さん、頬……」
「っへ? ひゃっ!!」
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