今夜、君にラブロマンスをささげよう。
彼女の人生だし、意思がある。当人の好きなようにすることこそ大切だ。
もし、枇々木が隣に居ることによって彼女の行動範囲が狭まれているのであれば、それは余計なお節介にすぎない。
ましてや、恋人でもないのに他人の色事に口出しするのはあまり褒められたことだとは思えない。
「彼女を異性として見ていないのなら同情、か? それは彼女に対して失礼だとは思わないか?」
「とにかく、お前は伊万里と別れるべきなんだ!! 好いてもいない相手と付き合うなんてどうかしている!!」
そこまで言うと枇々木は背を向け、去っていった。
「…………」
……たしかに。
好いてもいないのに七瀬さんと付き合うのは道理ではない。
彼の言うことはもっともだ。