今夜、君にラブロマンスをささげよう。

陰謀**side:碧


 学園長室は生徒会室のさらに上階に位置している。


 校舎の最上階、6階。


 木製の片手扉までやって来た俺は、静かにノックした。


「どうぞ」

「失礼いたします」

 中からの声に入るよう命じられ、足を向ける。

 左右にはソファーが配置され、真正面には机がある。

 その背後には大きな窓から見える見晴らしの良い景色が広がっている。


 そこに、肩まである茶色い髪を後ろでにまとめた女性が窓の外を見下ろしていた。

 グレーのパンツスーツを身にまとう彼女は背筋が伸びている。


< 83 / 135 >

この作品をシェア

pagetop