今夜、君にラブロマンスをささげよう。
厳格な雰囲気は背中越しからでもわかる。
彼女こそ、この月之ヶ丘学園の責任者。
志月 楓。
俺の父方の祖母だ。
見た目は40歳前後にも見えるが、実際は60を超えている。
それでも彼女が若々しく見えるのは、おそらく彼女は苦労を苦労と思わず、それすらも楽しんでいるからだろう。
彼女は何事にも前向きに取り組む快活な女性だった。
俺は、両親が執務で忙しい分、幼い頃から祖母上に面倒を見てもらっていたおかげで、誰よりも彼女を慕っている。