今夜、君にラブロマンスをささげよう。
「あら、いいのよ。だってわたくしが何をしようとわたくしの自由ですもの。ねぇ? わたくしと貴方は自由奔放なところが良く似ているわ。いいこと? 何があってもわたくしは貴方の味方ですよ? それを覚えていてちょうだい」
祖母上は俺の手を取り、宥めるような手つきで軽く甲を叩いた。
「…………」
俺の問題に七瀬さんを巻き込んでしまった。
いったい、どうすればいいだろう。
俺は目を閉ざし、彼女に真相を告げるべきかどうかを考える。
そんな俺の瞼の裏には、今朝方に見せた彼女の微笑む顔が焼き付いて離れなかった。