今夜、君にラブロマンスをささげよう。
それは親指くらいの大きさをした、四枚の透き通ったトンボの羽を持った何か。
でも待って?
これって、絵本や童話の中で見たことがある。
絵本の話によると、お花の中に親指くらいの大きさをした可愛らしい女の子がいたんだよね。
物語の題名はたしか、『おやゆび姫』
……もしかしてこの子って。
でもおかしいよね、おやゆび姫ってたしか女の子じゃなかったっけ?
見るからにこの子は半ズボンをはいている男の子で……。