今夜、君にラブロマンスをささげよう。

「あれ? でもおやゆび姫の最後って、王子様が登場したっけ……だったらこの子はおやゆび姫の王子様?」


 ドクドク、わたしの心臓が鼓動している。


 可愛らしい花を咲かせたイチゴの前で口をパクパクさせていると、トンボのような羽を持ったその子が起き上がった。


 わたしたちと同じような体はとても小さくて、葉っぱかな?

 黄緑色の可愛らしい服を着ている。

 茶色い髪は、毛の先っぽがくるりと巻いていて、髪と同じ色をした目は大きくて輝いている。

 可愛らしい男の子。


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