ふたりの日常。~冬の夜~
どれくらいそうしていただろう。
不意に本に影が落ちる。

「すみません。相席いいですか?」

「えっ?!あっ、えっと」

どうしよう、そんなに混んできたのかな。
急にかけられた声にあたふた焦って顔を上げると、よく知った顔があって。

「って、啓介…!」

その顔は嬉しそうに「騙された?」と笑った。
< 8 / 14 >

この作品をシェア

pagetop